メニュー

てんかんについて

てんかんの有病率は約1%と言われており非常に多い病気、体質です。この病気は突然脳の電気的な誤作動が起こることによっておこり、けいれん、意識障害、不随意運動、異常行動や言動等の症状として現れます。発作はたいてい数分で収まりますが、中に数十分ほど続く場合があります。

てんかんの診断には脳波検査でてんかん波を見つけることが第一に優先されます。例外的に約1割の患者様では通常の脳波検査ではてんかん波を見つけることができず、ビデオ同時記録脳波での発作波の検出、場合によっては深部電極を用いた精査といったより専門的な検査が行われますが、約9割の患者様では通常の脳波検査を適切に行うことでてんかん波が見つかります。脳波検査でてんかん波を確認できずに症状だけから「てんかん」とされた場合、後にてんかん以外の疾患、例えば精神疾患(身体症状症や解離性障害)、不整脈、脳血管障害であったことがわかる場合がありますので、慎重に診断を進めていく必要があります。

また近年治療可能な認知症様症状の一つとして非けいれん性てんかん重積という状態が脳神経内科医以外にも知られるようになり非専門医による抗てんかん薬治療が行われている場合がありますが、てんかんの一種ですので先述の通りてんかんの診断を行うこと、つまり脳波検査でてんかん波を見つけることが第一に優先されます。てんかんの診断が確実でない場合には抗てんかん薬内服の必要がないだけでなく、抗てんかん薬による傾眠、注意障害、ふらつき等の有害事象が発生する場合がありますので、適切に内服加療の適応を判断する必要があります。

このようにまだまだ診断、治療に十分な啓蒙がいきわたっていない疾患であり、当院では専門性を生かし知識をアップデートしつつ最善の診断、治療を行ってまいります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME